腰痛が出そうな動作を見るだけでも
痛みを感じる!?

重たい荷物を持ち上げる動画や、腰を大きく曲げる動作を見たときに、

「うわっ、腰が痛くなりそう……」
「見ているだけで腰がゾワッとする」
「自分がやったら絶対に痛いと思う」

このように感じた経験はありませんか?

実は、腰痛が長く続いている方の中には、腰に負担がかかりそうな動作を自分で行っていなくても、写真や動画を見るだけで、痛みへの不安や身体の緊張を感じる方がいます。

これは決して「気のせい」ということではありません。

痛みは腰の組織だけで決まるものではなく、脳が過去の経験や現在の状況をもとに、身体を守るために作り出す感覚でもあるからです。

 

痛みは身体からの情報だけで決まらない

一般的に痛みというと、

「筋肉や関節が傷ついているから痛い」
「骨が変形しているから痛い」

と考えられがちです。

もちろん、身体の組織から送られる情報も痛みに関係します。

しかし、実際の痛みはそれだけではなく、

・過去に強い痛みを経験した
・以前その動作で腰を痛めた
・また痛くなるのではないかと不安になる
・腰を動かすことを危険だと思っている
・睡眠不足やストレスが続いている

といった要素の影響も受けます。

つまり、脳が「この動きは危険かもしれない」と判断すると、実際に身体を動かす前から筋肉を緊張させたり、痛みに対して敏感になったりすることがあります。

 

動作の写真を見るだけで脳が反応する?

慢性的な腰痛のある方を対象にした研究では、腰に負担がかかりそうな動作の写真を見せ、脳の反応を調べています。

研究では、前かがみになる、荷物を持ち上げるなどの「腰を痛めそう」と感じやすい写真を見た際に、痛みや恐怖、不快感などに関係する脳の領域が反応する可能性が示されています。

ただし、写真を見た人全員に実際の腰痛が発生するという意味ではありません。

動作を見たことで、

「痛くなりそう」
「怖い」
「自分にはできない」

という予測が起こり、腰まわりに力が入ったり、違和感を痛みとして感じやすくなったりすることがある、ということです。

腰痛に対する恐怖が強い方ほど、日常動作の写真を「腰にとって危険な動作」と評価しやすいことも報告されています。

 

痛みを避け続けると悪循環になることも

腰痛があると、痛みが出そうな動作を避けたくなるのは自然な反応です。

しかし、必要以上に身体を動かさなくなると、

痛みが怖い

動作を避ける

身体を動かす機会が減る

筋力や体力が低下する

少しの動きでも不安になる

さらに動かなくなる

という悪循環につながることがあります。

これを「恐怖回避」と呼ぶことがあります。

特に腰痛が長期間続いている場合、腰そのものの状態だけでなく、「この動きをしても大丈夫」と感じられる自信が低下しているケースも少なくありません。

 

「痛い=壊れている」とは限らない

痛みがあると、「また腰を傷めた」「骨や筋肉が壊れている」と感じるかもしれません。

しかし、痛みの強さと身体の損傷の大きさは、必ずしも一致しません。

腰痛が長く続くと、脳や神経が痛みに敏感になり、以前は問題なくできていた動作でも、危険だと判断しやすくなることがあります。

そのため、慢性的な腰痛の改善には、痛みを我慢して無理に動かすのではなく、

「どの動作なら安心してできるのか」
「どの範囲から始めれば痛みが強くならないのか」
「本当に避ける必要がある動作なのか」

を一つずつ確認していくことが大切です。

 

腰痛を改善するために必要なこと

腰痛の改善には、腰を揉んだり、硬い筋肉を伸ばしたりするだけでは不十分な場合があります。

整体院インフリールでは、痛みが出ている腰だけでなく、

・痛みが出る動作
・腰を動かすことへの不安
・首や背中、股関節の動き
・呼吸や身体の緊張
・普段の姿勢や生活習慣
・過去に腰を痛めたときの経験

なども確認します。

そのうえで、いきなり怖い動作を行うのではなく、痛みや不安の少ない範囲から身体を動かし、「動いても大丈夫」という経験を少しずつ増やしていきます。

 

まとめ

腰痛がある方の中には、腰に負担がかかりそうな動作の写真や動画を見るだけで、痛みへの不安や身体の緊張、違和感を感じる方がいます。

これは気持ちが弱いからでも、痛みを大げさに感じているからでもありません。

脳が過去の痛みを覚えており、身体を守ろうとして、動作を必要以上に危険だと判断している可能性があります。

ただし、すべての動作を避け続けると、身体を動かすことへの不安がさらに強くなることがあります。

大切なのは、無理に痛みを我慢することではなく、自分の身体の状態を確認しながら、安全な範囲から少しずつ動作への自信を取り戻していくことです。

「腰を動かすのが怖い」
「前かがみになると痛くなりそう」
「腰痛が再発するのが怖くて運動できない」
「痛みが長く続き、身体を動かすことに不安がある」

このようなお悩みがある方は、一度ご相談ください。

※足に力が入らない、排尿・排便の異常、発熱、転倒後の強い痛み、安静にしていても激しく痛むなどの症状がある場合は、整体ではなく、早めに医療機関を受診してください。


参考文献

1.Barke A, et al. Neural correlates of fear of movement in high and low fear-avoidant chronic low back pain patients: an event-related fMRI study. Pain. 2012;153:540-552.

2.Meier ML, et al. Neural correlates of fear of movement in patients with chronic low back pain versus pain-free individuals. Front Hum Neurosci. 2016;10:386.

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4.Timmers I, et al. Exposure in vivo induced changes in neural circuitry for pain-related fear: a longitudinal fMRI study in chronic low back pain. Front Neurosci. 2019;13:970.

5.Vlaeyen JWS, Linton SJ. Fear-avoidance and its consequences in chronic musculoskeletal pain: a state of the art. Pain. 2000;85:317-332.


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